鳥飼いさんが愛鳥にして欲しくないこと。それは毛引きです。ストレスからだったり、病気のサインだったり、その原因は様々です。
鳥さんはとても繊細で、ほんのちょっとしたきっかけで、毛引きを初めてしまいます。
そんな毛引きの原因や治療、対策をまとめてみました。
毛引きとは?
毛引きとは、文字通り、自分で自分の羽根を引き抜いてしまう事です。
毛かじりと呼ばれることもあります。
最初は羽毛をかじるところから始まり、重度になると、くちばしが届く範囲全ての羽根をむしってしまうことも。
酷いときには皮膚まで傷つけ、出血も伴います。
どの鳥もなりうる病気ですが、特にヨウムや、タイハクなど大型鳥がかかりやすいようです。
考えられる原因
毛引きの原因として主に以下のものが考えられています。
- 環境が変わった
- (短期旅行などで)飼い主がいなかった
- 新しい鳥がやってきた
- 構ってもらえる時間が減って寂しさを紛らわすためにはじめた
- なんとなく羽根をいじってたらクセになってしまった
- 寄生虫などが羽根に付着し、かゆさを感じている
主にメンタル面で何らかのダメージや変化を受けると発症することが多いようです。
また食餌による栄養過多や、ホルモンの変化や発情などでも発症しうる病気です。
飼い主さんにわかって欲しいこと
飼い主さんは、愛鳥が羽根を抜いている姿にとても心を痛めます。
「私の飼育の仕方が悪かった」「もっと構ってあげれば」と自分を責め続けます。
でもこれは誰も悪くないんです。ちょっとしたことで、どんな鳥でも起こりうる事なのです。
あなたの飼い方や愛情が足りなかった訳ではありません。自分を責めないでください。
色々試してみましょう。
ある日突然治るかもしれません。
治らないかもしれない。
治らないのなら、それも個性の一つとして前向きになるのもひとつの解決策だと、私は思います。
症状がひどく、出血を伴うようであれば、生命の危機に及ぶ場合があるので、必ず治療をしましょう!
毛引き症、治療と対策
毛引きの治療は専門医の診断が欠かせません。
まず医学的に、毛引きの原因をとりのぞくことができる場合は、そちらが優先されます。
寄生虫が原因なら、駆虫など、です。
その後、皮膚や羽根を保護する薬を塗り、再びかじらないようにエリザベスカラーを付けるのが一般的です。
この治療法が合わない鳥さんもいます。
カラーをつけることでかえってストレスになったり、食欲が無くなったりして、体力を落とすケースです。
こうなると、毛引きとつきあっていく方法を模索していくのも視野にいれていくことになります。
毛引き症の予防/対策
いつ、何がきっかけで、発症するかわからないのが毛引きです。
精神的なものが要因であることも多いので、すべて防ぐというのは難しいところがどうしてもあります。
それでもできることを日常的に心がけましょう。
- ストレスをできるだけかけないようにする。
- 構うときと構わないときの差を付けすぎない。
- ストレス解消のためにおもちゃを与える。
原因を見つけ出し、できるところから少しずつ対策をしていってみましょう。
ストレスをできるだけかけないようにする。
犬や猫などの小動物を近づけさせない、お迎え後すぐに家族でかまい過ぎない(環境になれるまでそっとしておきましょう)ようにしましょう。
フードをいきなり変更するのもストレスを感じる場合がありますので、フードの切り替えは少しずつ行いましょう。
構うときと構わないときの差を付けすぎない。
愛鳥との適度な距離を見つけましょう。
愛鳥にも一人遊びの時間は必要ですが、放置しすぎはかわいそうです。
遊んであげる時間、一人で遊んでもらう時間をしっかり覚えてもらうと、留守番も上手になります。
ストレス解消のためにおもちゃを与える。
日替わり、週替わりでおもちゃを与えて、飽きさせない、羽根をかじる気にさせない生活をさせてあげましょう。
特に中型インコから大型オウムは知能が高く、破壊行動が大好きなタイプが多いです。
ダンボールや紙などで作った破壊用オモチャを常に与えてあげましょう。
毛引きについてまとめ
- 毛引きとは自分の羽根を抜いたり、皮膚をかじったりする事
- ストレスが原因の場合が多いが、複雑に絡み合った複合的な要因が多い。
- おもちゃを与えたり、天敵から遠ざけたりして、ストレスを与えにくい生活が大切。
毛引きは難しい問題です。
悲しんでいる飼い主さんの心が少しでも晴れてくれればと思い、この記事を書きました。
毛引きはメンタルによる発症が多く報告されていますが、飼い主さんが必要以上に悲しむことはありません。
※こちらでも解説しましたのでチェックしてみてください。
check!インコの羽根が抜ける原因と対処法、病気と換羽の違い。
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