「PBFD」。特にヨウムや白色オウム、セキセイインコやオカメインコを飼っている人はこの単語を見聞きした事があると思います。
ウイルス性の嘴&羽毛病。
難しい病気ですが陰転する個体も多い病気。
今回はPBFDの症状と治療、予防策についてまとめてみました。
※心を痛める画像もあります。注意してお読み下さい。
少しでもPBFDへの理解と予防、対策に対しての関心を深めるきっかけになれば嬉しく思います。
PBFDについて
※2017年秋終わりから冬にかけてPBFDが大流行しています。特に気をつけてください!※
外での鳥類との接触やペットショップでの接触後はきちんと消毒しましょう!
正式名称は「Psittacine Beak and Feather Disease」。
サーコウィルスというウィルスの感染が原因で発病する難病です。
人間に例えると、エイズのように免疫が低下するという、2017年現在治療薬が確立されていない不治の病です。
PBFDで命を落とすのではなく、PBFDで免疫力がなくなり、健康なら重症化しない病気で命を落とします。
PBFDの感染経路
以下の経路が主な感染経路と言われています。
- 感染鳥の糞(乾燥すると風に飛んで広がりやすくなります)、脂粉などの空気感染。
- 感染鳥が使った鳥用品を消毒せずに、別の鳥に使った場合。
- 野鳥との接触(感染の有無に関わらず、野鳥を素手で触るのはやめましょう)。
PBFDに特にかかりやすい種類
PBFDは種類によってかかりやすい種類があります。
・ヨウム
・白色オウム(キバタン、コバタン、タイハク、コキサカオウム等)
・セキセイインコ
特に生後1~2年の幼鳥が感染しやすく、稀に5歳以上の成鳥での発症もあります。
また、文鳥と九官鳥は、PBFDに感染しないことが判明しています。

PBFDの症状
・換羽後、変形など異常な羽根が生えてくる。
・羽根が完全に生える前に抜け落ちる。
・食欲不振、下痢
・脂粉の減少
・嘴の変形、腫瘍化
・免疫不全
などが主な症状です。
特にヨウムでは、脂粉が減少するので、嘴が黒光りして見えるのも症状の一つです。
また、抜けた羽根の根元に血液が凝固したものが付着していたりします。
参照元:ウィキペディア
飼い主さんは、羽毛の異変にまず気づき、その後抜けた羽根の軸の血液付着で病気を確信するケースが多いようです。
進行すると、
・体重減少
・性格の変化(臆病になるなど)
が出て、最終的には、免疫不全による、健康な時には何でもないウイルスへの二次感染により落鳥してしまいます。
定期検査はもちろん、羽の生え方がおかしい、羽がすぐ抜けるといったことが続く場合、検査をすぐに受けることをおすすめします。
検査の方法は以下のとおりです。
PBFDの検査方法、治療、予防
PBFDの検査は全国のいくつかの動物病院や施設で受けることができます。
羽や血を提出するだけです。
検査費用は20.000円前後です。
特にオウムや大型鳥を迎えた時は検査を受けておきましょう。
先住鳥がいる場合、検査結果がでるまで接触させてはいけません。
少なくとも廊下を隔てた別の部屋や、上下階で居住区を分けましょう。
同部屋はもちろん、隣の部屋での隔離はあまり効果的ではありません!
PBFDの検査方法
血液検査で、血液中のウイルスの有無で確定診断になります。
1~2滴の血液を用いるか、羽根を数枚抜いて(自然脱落は不可)、動物病院や、専門の検査機関に送る方法があります。
また、お迎え時に陰性であっても、万一の早期感染に気づけるよう最低年1回の検査をおすすめします。
PBFDの治療方法
悲しいことに完治させるための治療は確立されていません。
しかし、栄養バランス、ストレスのない生活、定期的な治療(インターフェロン投与が一般的です)を長期間続けた結果、陰転(検査でウイルスが確認されない状態)になる個体も数多くいます。
PBFDと診断されても、諦めずに治療をしてあげてください。
余命数ヶ月と言われた鳥さんたちが何年も元気でいるケースも沢山あります。
陰転(体内からウイルスが検出されなくなった状態)になることも少なくないので、諦めずに接してあげてください。
※PBFD陰転について、体験談を交えてこちらで解説しています。

予防方法
予防方法として確立されたものはありませんが大切なのは「消毒」です。
PBFDのウイルスはどこにでもいます。
外からの帰宅後愛鳥を触る前にまず消毒をしましょう。
特にペットショップなど鳥と多く接触するような場所からの帰宅は洋服も着替えるくらいの用心が必要です。
インコの大敵!PBFDの症状と治療、予防策についてまとめ。
- 羽毛脱落から始まり、免疫不全に陥る不治の病。
- 主にヨウムや、白色オウムが多くかかりやすい。
- 文鳥と九官鳥は感染しない。
- 感染鳥との接触機会を減らす事が一番の予防。
- 感染しても、根気強く治療することで陰転することも多い。
鳥飼いさんにとって「悪魔の病気」とも言われるPBFD。
やみくもに怖がらず、陰転する事も多い事を知って欲しいです。1日も早く特効薬が開発されることを願ってます。
※PBFDと戦ったヨウムの涙のお話です。

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