スズメといえば、知らない人はいないくらい日本では有名な小鳥です。
外に出ればいつでも飛んでいて、ヒナを拾った、育てたという話もききます。
しかし、どこにでもいるスズメですが、勝手に飼育することは違法です。
今回はスズメの生態と、飼育する際の注意点を解説します。
スズメの生態・特徴
スズメは日本で一年中見かける野鳥の代表です。
嘴は真っ黒で堅く、茶色地にまだらの白色と黒色が入っています。
見た目で雌雄の区別はつきません。
ホッピングという両足をそろえて跳ねる様な歩き方をするのが特徴です。
食性は雑食で種子から昆虫まで幅広く食べます。
稲を食べ荒らす害鳥として、米農家から嫌われているところもあります。
スズメの飼育が違法な理由
外に出ればどこにでもいて、かわいらしい姿とさえずりをみせてくれるスズメをみて「飼えそう」「捕まえて飼ってみたい」と思った人もいるのではないでしょうか。
しかし、スズメの飼育は特別な場合を除いて自然の鳥、野鳥を守るための法律「鳥獣保護法」という法律違反になります。
この法律では鳥の種類を問わず、すべての野鳥の捕獲・飼育(飼う事)を禁止しています。
「鳥獣保護法」は野生動物を守り、生態系を守るための大切な法律なのです。
では、弱っているスズメや、スズメのヒナを拾ってしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
スズメの飼育時の注意点
もしスズメを保護した場合は、市の野鳥や野生動物を管理している機関に連絡しましょう。
各都道府県や地域ごとに対応が違います。
期間限定の保護や飼育許可が得られた場合、保温をしっかりして、ミルワームという餌(ペットショップで200円ほどで売っています)をピンセットで与えましょう。
ヒナは欲しがるだけ与え、2~3時間おきに与えてください。
自力で飛べるようになったら、再び野鳥管理機関に報告し、自然に返すタイミングなどを調整しましょう。
怪我をしている、弱っている場合は速やかに獣医に連れて行ってください。
野鳥のヒナをむやみに保護しないで!
野鳥の繁殖シーズンは暖かい春先から夏前がほとんどです。
この時期は人がヒナを見つけて、巣から落ちてしまったか、はぐれて弱っていると思い、優しさから保護するケースがよく見られます。
しかし、そのヒナは弱っていない場合がほとんどです。
ヒナは巣立ちヒナと呼ばれ、近くにいる親鳥と一羽で生きていくための方法(えさのとり方、飛び方)を学んでいる最中です。
巣立ちヒナはまだ体力が無いため、地面で休憩していたりすることがあります。
このとき、人がたまたま拾ってしまうことがあります。
この行為は、親鳥とヒナを引き離してしまい、自然に戻れなくなることにつながるのでやめてください。
うずくまって弱っている、怪我をしているのでなければ、むやみに保護せず、そっと見守ってあげましょう。
地面にぽつんといるのであれば、猫やカラスなどの外敵に狙われないよう、木の枝などに上げてあげましょう。
親鳥が近くでみているはずです。
スズメの生態と保護/飼育時の注意点。なぜ飼育が違法なのか。まとめ
- スズメは日本の代表的な野鳥です。
- 野鳥なので、スズメの無許可飼育は違法になります。
- 飼育許可を得た場合、許可された条件下での飼育が可能です。
- 野鳥の保護は極力控え、よほど弱ってない限り、見守るようにしましょう。
スズメは巣を作れる場所の減少と共に、少しずつ数を減らしつつあります。
日本の風景にかかせないスズメの数が減ってきているのはとても寂しいことです。
かつてのトキのように、スズメが保護対象にならないことを願うばかりです。
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