飼い主のひどい仕打ち、飼育放棄の中でも人間が大好きでい続けた優しいオカメインコ「そら」。
そらが今の飼い主にめぐり合って幸せになったお話です。
考えてほしいのです。生き物の一生を責任をもって飼育すること、命の大切さを、そらは教えてくれています。
パイドオカメインコ「そら」の半生
オカメインコ「そら」はコンパニオンバードブーム、手乗りインコブームの真っ只中に生まれ、飼われたオカメインコでした。
最初の飼い主は、ブームに乗じて流行のアクセサリーを買う感覚でそらをお迎えしました。
最初はちやほやし、可愛がっていたものの、時間がたつにつれて「インコの世話が面倒くさい」「餌を買い足すのが面倒」「言うことをきかない」「鳴き声がうるさい」と、そらを避けるようになりました。
最低限のえさと水の交換以外はケージに閉じ込めて放置。
手乗りインコにとって幸せな放鳥タイム、飼い主とのふれあいタイムはお迎えして2年を過ぎるころにはほとんどなくなりました。
それでもそらは大好きな飼い主に振り向いてほしくて、健気に飼い主に鳴いてアピールをし続けました。
そんなそらに対して飼い主は「うるさい」とますます遠ざけるようになったのです。
捨てられたそら。でも人間を愛し続けて。
最低限のお世話もままならなくなったそらのケージは掃除もされず、汚れていきました。
ずっとケージに閉じ込められたままの生活が3年も続きました。
三年も食べて寝るだけの日々。あなたは想像できますか?
飼い主はオカメインコにすっかり飽きてしまい、新しくやってきた人気の犬種(種類は伏せます)につきっきりでちやほやしていました。
そらは「また飼い主が振り向いてくれるに違いない」という思いをずっと持ち続けていたに違いありません。
そらは地域情報誌の里親募集掲示板に出されました。
そらは捨てられてしまったのです。
そらに第二の鳥生をくれた人
里親募集にだされたそらを引き取ろうとする人はなかなか現れませんでした。
というのも、当時のそらは片目が細菌の炎症で腫れており、羽根もぼさぼさしていたからです。
「治療が必要なインコ」を誰も引き取るはずがありません。
そんなそらを引き取ったのは、飼い主の妹のかずみさん(仮名)でした。
新社会人になり、新居を探している間、姉である飼い主のところに滞在することになり、そこで雛以来にそらをみたのでした。
羽根はぼろぼろ、フンだらけのケージにいるそらをみて、かずみさんは事情をきき、姉がそらを手放そうとしていることを知りました。
かずみさんは姉の無責任さに憤りを感じながらも、そらを引き取ることに決めました。
丁度新居を探しているところでしたので、ペットOKの物件を探し、そらと一緒に引っ越しました。
現在14歳、そらは今も幸せに。
かずみさんと暮らしているそらは14歳になりました。
かずみさんは職場で知り合った人と結婚し、2人の子供の母親です。
そらはかずみさんファミリーの中心で長男坊、みんなから愛されています。
かずみさんは言います。
「生き物を飼うときは、一生を責任をもって面倒をみてください。姉のようにそのときの気分、ブームで気楽に飼うようなことは絶対にしないでほしい」
そらのように幸せになった鳥がいる中、飽きられ、手にあまった末、捨てられたインコたちも存在します。
そんな不幸なインコを作り出しているのは人間の無責任さなのです。
一度インコをお迎えしたら一生を責任をもって飼育すること、それが出来ない人はインコをお迎えしたらいけません。
第二のそらが生まれないことを願っています。
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