長いインコとの生活をやむをえない事情で全うできない、インコを手放さなければいけなくなったとき、飼い主は何ができるのでしょうか。
身勝手な理由で捨てられる犬や猫、鳥が増えている時代、やむなく手放さなければいけなくなってもペットが幸せになるように尽力しなければいけません。
それが飼い主の最後の義務といえます。
今回はインコを手放さなければならないとき飼い主がすべきことを解説します。
インコを手放さなければならない理由
- 子供ができて構えなくなった
- 鳴き声がうるさくて近所迷惑になった
- 噛み付いてばかりで可愛く思えなくなった
- 引越し先がペット禁止で飼えなくなった
- アレルギーを発症して飼育が困難になった
どんな理由であれ、手放すという選択をした以上「身勝手である」「もう二度とペットを飼うべきではない」と言われても仕方がありません。
人間は動物と違って、いくらでも言い訳できます。
家族で何度も何度も飼育し続ける方法を話し合った結果、どうしても飼育が難しいとなったとき、飼い主が出来ることは「愛鳥の幸せを維持するためにどうすればいいか」を考え、選択することです。
インコを手放すときの飼い主にできること
インコをこれ以上飼えないとなってしまったとき、主に下記のような選択肢があります。
- 知人や親戚に引き取ってもらう
- 里親を探して引き取ってもらう
- 愛護団体に引き取ってもらう
大切に育ててきた愛鳥が新しい飼い主の元でも幸せに暮らしてほしいと願うのは当然のことですね。
愛鳥の幸せのために、後悔のない選択をしっかり選んでほしいと思います。
また、譲渡後に環境が変わり飼育が出来るようになっても、返還前提の取り決めをしていない限り、インコを返還してもらうことはできません。
つまり、一度手放した愛鳥は二度と戻ることはありません。
あなたの飼育できない事情を汲み取って引き取り、愛情をもって育てている引取り先の気持ちを踏みにじらないようにしましょう。
知人や親戚に引き取ってもらう
すでに顔見知りで交流がある知人や親戚なら安心して愛鳥を託せます。
距離によっては譲渡した後も会うことができるでしょう。
しかし、譲渡先の家族構成によっては、飼育が難しいケースもあります。
時間をかけられるならトライアル期間が1週間ほどあるとよいですね。
里親を探して引き取ってもらう
インターネット掲示板やSNSなどを通じて里親を探し引き取ってもらう形も昨今ではベターな譲渡方法です。
里親の家族構成やインコに対する知識、また里親さんの情報をネットで確認して譲渡トラブルを起こしていないかよくチェックしましょう。
※こちらでも書いていますのであわせてチェックしてみてください。

愛護団体に引き取ってもらう
鳥類専門の愛護団体はいくつかあります。
そちらで引き取りをしている場合は問い合わせてみるのもひとつの方法です。
しかし愛鳥の状況、飼い主の事情によっては断られるケースもあります。
譲渡ができない鳥もいます
タイハクオウムやヨウムなどサイテスⅠ類に属する鳥は登録書が必要であり、譲渡する際は登録書がないと譲渡できません。
今飼育している該当の鳥は登録をしなくても飼い続ける事は可能ですが、個体登録しておかないと移動・譲渡が出来なくなります。
手放す事になった時、登録書がないと指定された施設や動物園などしか引き取ることができません。
つまり、里子としての個人譲渡、家族内での譲渡もできなくなります。
実際に逮捕例がありますので、寿命の長いサイテスⅠ類の大型鳥は必ず登録をしておきましょう。
もう一度考えてください。どうしても愛鳥を手放さないといけませんか?
あなたの家にやってきたその日から、インコはあなたに生活のすべてをゆだねます。
自分で掃除をすることも、えさをとることもできません。
本当に一緒に住む方法はありませんか?
飼育スペースを分ける、お世話をする人を限定する、しつけをもう一度1からやりなおしてみる、プロのトレーナーに相談する…。
本当にできる限りのことをしましたか?本当に手放すしか方法はないのですか?
手放したら二度と会うことはできません。本当に後悔しませんか?
手放さなければいけないと考える前に、もう一度飼い続けられないか、本当に後悔しないのかを考えてください。
インコを手放さなければならないとき飼い主がすべきこと。まとめ
- 様々な理由があるとはいえ、インコを手放すことは無責任な飼い主であるといわれても仕方がないことです。
- やむなく手放すことになった場合は、譲渡先が愛鳥の幸せにつながるかよく考えてください。
- サイテス1類の鳥は登録証がないと譲渡できず、無断譲渡は罰せられます。
- 本当に手放してよいのか、一緒に暮らす方法はないのか何度も何度も話し合ってください。
私が思う「やむをえない事情」とは飼い主さんの病気、事故、死亡など飼い主さんの身に重大な状況が及んだときです。
しつけは何歳でもやり直しができます。病気になっても治療方法はあります(治らなくても病気と共存して一緒に暮らす方法もあるはずです)。
「可愛くなくなったからいらない」「病気になったからさわりたくない」「思ったのと違った」という理由で手放すのは身勝手の極みで絶対に許されることではありません。
愛鳥を手放すということは二度と会えなくなること。
愛鳥の幸せを願い、譲渡先をしっかり探すのが、飼い主として最後の義務です。
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